陸前高田市震災復興計画(素案)について

市は、8月8日に震災復興計画検討委員会を開催し、市内各種団体の代表や専門家など50人を委員に委嘱し、11月末を目途に復興計画を策定します。
この復興計画の趣旨は、大震災の猛威や恐ろしい経験と津波防災、減災への教訓を謙虚に受け止め、一刻も早く仮設居住を解消し、被災者の生活再建を図るとともに、地域産業の再生と発展を目指し、市民が安心して暮らし、働くことのできるまちづくりに全力を挙げて取り組んでいくというものです。

本号と次号の2回に分けて、基本構想(素案)の概要をお知らせします。

▽計画の構成と期間

基本構想 構想の目標期間:平成23〜30年度
基本計画 第1期「復興基盤整備期」(平成23〜25年度)
     第2期「復興展開期」(平成26〜30年度)

▽復興の3つの基本理念

世界に誇れる美しいまちをともに創ります

恵まれた自然環境の中で、歴史や伝統を育んできたまち、高田らしい美しいまちの景観を取り戻すだけでなく、大津波の体験に学び、語り継ぐ減災のまちを共に実現することが必要です。
「奇跡の一本松」に名勝「高田松原」復元の希望を託すとともに、安全で環境と共生する新しい減災のまちづくりに取り組み、だれもが住んでみたいと思う「世界に誇れる美しいまち」を創ります。

ひとを育て、命と絆を守るまちを共に創ります

子どもからお年寄りまで、たくましく健やかに生活を送るためには、共に支えあい、寄り添い地域力を再生しながら、より住みよいまちを再興していくことが必要です。
地域の絆を取り戻し、継承し、生涯にわたっていきいきと、だれもが心豊かに安心して暮らすことができるよう「ひとを育て、命と絆を守るまち」を創ります。

活力あふれるまちを共に創ります

被災した地域産業を再建するとともに、新しい産業の育成に取り組みながら、地域の生産活動や経済活動が活性化するまちを再興し、後世に着実に引き継いでいくことが必要です。
地域の活力を取り戻すとともに、だれもが意欲をもって働き、安定した生活ができるよう「活力あふれるまち」を創ります。

▽復興のめざすまちの姿
「海と緑と太陽との共生・海浜新都市」の創造に向けて、被災した海、
高田松原、市街地や漁業集落の復興を目指します。

▽復興のまちづくりの6つの基本方向

1 災害に強い安全なまち

津波に強い防潮堤などの整備を前提に、防災計画の再整備、救援・救護体制の整備など、防災体制の再整備による「津波防災」と「減災」を組み合わせた災害に強い安全なまちづくりを進めます。

2 快適で魅力のあるまち

津波に強い防潮堤などの整備を前提に、防災や利便性を考慮した土地利用の創出、災害時のみならず市民生活や経済活動にとって快適で魅力ある都市空間、都市機能を創出するまちづくりを進めます。

3 市民の暮らしが安定したまち

住宅、学校、病院などの医療施設の再建をはじめ、教育、保健、医療、介護・福祉サービスの回復など、安定した市民の暮らしを再興します。

4 活力あふれるまち

農業や水産業の基幹産業、水産加工や醸造などの地場産業、宿泊施設や道の駅などの観光産業、商業など、雇用の確保や産業基盤の早期復興とともに、食関連産業などの新規企業立地や集積を推進します。

5 環境にやさしいまち

太陽光など、大規模災害における活用や地球環境にやさしいエネルギーの活用を推進します。

6 協働で築くまち

地域のコミュニティを再生し、市民・事業者・市の役割分担のもと、地域の特性やコミュニティ活動を生かした協働のまちづくりを推進します。

※次号では、復興のまちづくりの6つの基本方向ごとに重点目標の概要をお知らせします。

詳しくは、復興対策局(内線181)まで。